コグニティの会話分析AIサービス「UpSighter」で、
ビジネスシーンにとどまらない、
あらゆるコミュニケーションを見える化するプロジェクト
『目からコグ!』
今回は、息子や別の人物になりすましてお金をだまし取る「オレオレ詐欺」や、公的機関を装い、お金が受け取れると騙す「還付金詐欺」といった詐欺トークの特徴を見える化します。警視庁発表のデータ(※)によると、平成22年以降増加を続け、前年から若干減少してはいるものの、平成30年は1万6,496件、被害額は363.9億円と共に高水準で推移しており、依然として深刻な情勢です。
「自分だけは大丈夫」と思っている方も多いと思いますが、これらのトークでは一体どんな内容が話されているのでしょうか。警視庁が公開している詐欺トークを「UpSighter」で分析し、その特徴から、だまされないために気をつけるべきポイントを見ていきましょう。
※出典:「平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について(確定値版)」
詐欺トークではどんな内容が話されているのか?
今回比較するデータは、息子を名乗る男が会社の金を横領してしまったので返金するため、すぐ現金を用意してほしいとだます「オレオレ詐欺」と、区役所の職員を名乗り払いすぎた医療費が戻ってくるとだまし、預金口座の預金を引き出そうとする「還付金詐欺」です。
【オレオレ詐欺の電話音声】
【還付金詐欺の電話音声】
※出典:「警視庁犯罪抑止対策本部 特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京」
実際に、どんな内容を話しているのかを比較したのが次の図1です。
トークの情報構成要素を分類して比較! |
これを見ると、オレオレ詐欺、還付金詐欺のどちらも④の「具体的な説明」が50%以上を占め、最も多くなっています。また②の数値や日付などの客観的根拠については、還付金詐欺の場合は12%話していますが、オレオレ詐欺の場合は0%。全く話していません。
どちらも「具体的な説明」を多く話している点は共通していますが、還付金詐欺の場合は、話の客観性を持たせるために「根拠」を多く話していることがわかります。
詐欺師はどれくらい発言し、どんな質問をしているのか?
では、それぞれの詐欺トークでは、相手にどのような質問をしているのでしょうか。まずは、1つの会話のやり取りの中で、詐欺師と相手の発言量の割合を見てみます。下の図2から、オレオレ詐欺も還付金詐欺も、電話先の相手より詐欺師の方が8割以上話していることがわかります。
1つの会話のやりとりの中で詐欺師がしゃべっている割合 |
また、下記の図3から質問の種類を見てみると、どちらの詐欺トークも自由な解答を求めるOPEN質問よりも、YesかNoで単純返答できるCLOSED質問が多用されているようです。
詐欺師の質問の種類 |
では具体的にどのような質問が出ているのでしょうか? 以下に少しご紹介します。
オレオレ詐欺 ・今、みんないるの? ・要は共犯っていうことになっちゃうわけでしょ? ・正直、今すぐ自分で下ろせる金額も限られてるから、できたら100万円何とかならない? ・なんとかなるの? ・出来たら今日、今から株のほうの解約もしてこなきゃいけないし、自分で銀行も行かなきゃいけないか |
還付金詐欺 ・◯◯さまのご自宅でよろしかったでしょうか? ・本日は確認のご連絡でして、去年の◯月の頭にですね、私どもの方から累積医療費のご案内と書かれました〜で、これって内容について全く確認されてないですかね? ・定期預金が入っているということですか? ・で、この中でお取引のある銀行さんって、どちらになりますでしょうか。 ・おいくらぐらい組まれてますか? |
騙されないためのポイントは「あらゆる情報を質問してみる」
以上から、詐欺師トークの特徴をまとめてみます。
「オレオレ詐欺」の特徴
・具体的説明は多いが、客観的根拠はゼロ
・YesかNoで答えられる単純質問だけしており、難しい質問はせず相手に考える余地を与えない
「還付金詐欺」の特徴
・具体的説明は多く、客観的根拠を話して説得性を出す
・詐欺師の方がたくさん話している
どちらの詐欺も、話が非常に具体的であり、電話口で畳み掛けるように話されればつい騙されてしまいそうです。では、これら詐欺師に騙されないためのポイントは何でしょう。それはずばり「データで未検出になっている部分を意識してこちらから確認すること」です。
オレオレ詐欺のトークは客観性がゼロですので、この点を意識的に確認するようにすると、詐欺師が本性を現す可能性が高くなります。例えば、詐欺師が「今すぐお金が必要だ」と演技巧みに話してきても、それが「いつなのか」「情報源は」など話題の根拠となる事実やデータがあるかどうかを質問するとよいでしょう。
また、還付金詐欺については、客観的なデータを盛り込んで来ているため難しいところではありますが、こちらにメリットがあるということに対して、懸念や課題を想定しているか、こちらから積極的に質問していくことが、回避のポイントになりそうです。
このように、「UpSighter」でトークを数値で見える化することにより、なぜそのトークが問題なのかを客観的に把握することが可能になります。ビジネスシーンにおいても「デキる」と言われる営業マンがそう言われる理由、あるいは、説得力があると感じる話し方にはどんな要因があるのかなどを見える化することで、課題が把握しやすくなります。
今回は「詐欺トーク」を分析しましたが、UpSighterが個人やチーム単位でご利用できるようになりました! 今すぐご自分の営業トークやプレゼンが分析可能です。ぜひアクセスしてみてください。
NHKクロ現やフジテレビにも取り上げられた
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コグニティでは、会話分析AIサービス「UpSighter」を使って、あらゆる会話を見える化することが可能です。「こんなシーンを解析してビジネスに活用したい」「一緒に共同開発したい」「取材したい」など、お気軽にお問い合わせください。
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